山好きのあの人に、お気に入りの山道具について聞く、連載「あの人の山道具」。第2回は山岳関連コンテンツクリエイターのまだら牛さんに、山ヤが惚れ込むパタゴニアのフリース「R1」の魅力について聞きました。
みなさんには「推し」のブランドはあるだろうか? 私にはある。それがpatagoniaという会社だ。
道具に愛着を持つ理由にはいくつかある。もちろん実用性も大事だが、多くの愛着はストーリーに起因している。
その道具を手にした経緯、その道具と旅した記憶、その道具を使っている憧れの人、エトセトラ、エトセトラ。
企業のブランド・イメージというのも、商品に「ストーリー」をもたせる役割がある。
そして、patagoniaという会社のそれは強烈だ。
とにもかくにも、まずはこの動画を見てほしい。
「R1」というテクニカル・フリースのプロモーションビデオ、「R1でデキたこと」だ。
圧倒的迫力の山岳美を背景に映し出されるのは、髭もじゃのクライマーたちの……お世辞にもキレイとは言えない、むしろ汚くて臭そうな姿。
軽快な音楽と共に歌われるのは、彼らの自然体すぎる下品で気ままな生き方。
それは、企業のブランド・イメージとしてはあまりに異質である。
だが、この動画を見て心奪われる“山ヤ”は少なくないはずだ。
人の目を気にせず自由で純粋で真っ直ぐな、それでいて合理的な選択としてのユニフォーム。
見目は汚くとも「これが山ヤのオシャレってもんだろう?」という強烈なメッセージ。
街中でも登山ウェアを着て歩いてしまうような人間にとって、こんなに最高なブランディングはない。
私もこのR1を愛用している。着心地は快適で、そしてどこまでも機能的だ。
肌寒い季節の行動着として、あるいは冬山でのインナーとして。登山中だけでなく、家でも街中でも。
便利すぎて酷使してしまっているが、生地はなかなかヨレることもない。優秀な防臭効果に甘えて洗濯する暇もなく着っぱなしになっている。
岩に挟まりながら攀じ登っている最中に穴が空いてしまったが、山仲間からは慰められるどころか「patagoniaの服は穴が空いている方がオシャレだからね」と皆が口を揃える始末。もちろん私も同感だ。
私にとってR1は単なるウェアではなく、そういう「ストーリー」を着るユニフォームなのだ。
パタゴニア/R1
https://www.patagonia.jp
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June 09, 2020 at 10:02PM
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ストーリーを着るユニフォーム パタゴニア「R1」 | あの人の山道具[2] - 株式会社 山と溪谷社
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