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「誰も助けてくれない」高齢者の施設拒否は、正しいものですか | 富裕層向け資産防衛メディア - 幻冬舎ゴールドオンライン

「誰も助けてくれない」高齢者の施設拒否は、正しいものですか

高齢者の孤独死が社会問題になっている昨今。親、そして自分自身の老後を「どこで」過ごすのか、はっきりとしたビジョンはありますか。積和グランドマスト代表取締役社長・小山健氏は、書籍『70歳からの住まい選び』(幻冬舎MC)にて、「介護施設」「今の住まい」に次ぐ、「高齢者向け住宅」という選択肢について解説しています。

「施設に入る」を選ぶか、「住宅に暮らす」を選ぶか

特別養護老人ホームも有料老人ホームも高齢者施設と呼ばれています。これらはどちらもシルバー世代を対象とした施設です。ならば、なぜ「住宅」ではなく「施設」と呼ぶのでしょうか。厳密に言えば、施設と呼ばれるものにはそれぞれ定義がありますが、私はまとめてこう考えています。

「利用に目的や、目的達成のためのルール(制限)がある建物は施設である」

図書館は本を貸す、学校は学ぶ、病院は病気やけがを治す。施設の利用には必ず目的があり、ルールがあります。そのため、基本的にはそれらを達成させるための機能しか備えていません。

これは高齢者施設も同じ。その主な目的は介護です。だから必要最低限の広さしかなく、スタッフが仕事をしやすいように入居者の食事や入浴の時間が決められています。

一方で住宅の利用には、目的やルールはありません。介護を受ける・受けないは自由。デイサービスを利用するかしないかも自由。食事も入浴も入居者の気分次第。極端な話ですが、1週間入浴しなくても誰にも文句を言われません。また、外食も外泊も自由自在です。皆さんは「施設」に入ることを選びますか? それとも「住宅」に暮らすことを選びますか? 住み替えを考える際は、そのことをよく見極めてほしいと思います。

「施設に入る」を選ぶか、「住宅に暮らす」を選ぶか

「施設に入る」を選ぶか、「住宅に暮らす」を選ぶか

「高齢者の住まい=介護施設」という大きな誤解

私を含む60代はおろか、70代の人でも健康な人に高齢者向け住宅の話をすると「とんでもない」「まだまだ先の話」と否定的な反応を示されることがほとんどです。皆さん、「高齢者の住まい=介護施設」という認識があるのでしょう。

※ バリアフリーや支援が充実した住宅のこと。老人ホームが提供するような介護を受けられる場合もある

介護施設は、私の20代の頃の経験のように、世の中から切り離された世界というイメージが出来上がっていて、できれば一生入りたくないと思っているようです。このような高齢者向け住宅への認識は、少しずつ変化のきざしはあるものの、老若男女問わず大多数の人に共通しています。

先日、ある駅前開発の商談に営業担当者と同行した際のことです。その計画はかなり大規模なもので、商業施設、賃貸・分譲マンション、保育園、大学関連の施設など多岐にわたる建物が計画されていました。

そのなかの一つとして高齢者向け住宅がありました。先方担当者は、「高齢者向け住宅=有料老人ホーム」と考えていました。彼はこの前提で事業者を探し、契約の一歩手前までいきましたが、上司に「再開発地域の周辺に今現在住む人の移転先として考えているので、元気な高齢者でも納得してもらえる住まいを建てるのはどうか」と土壇場で指示をされたそうです。

たしかに介護を必要としないシルバー世代向けの住まいの存在は、ほとんど知られていないようです。そのため多くのシルバー世代は、住まいの選択肢を今の自宅での一人暮らしか介護施設かの二者択一と誤解しています。

誤解したまま一人暮らしを続ける人のほとんどは、ずっとさびしさを我慢しています。しかも、もし具合が悪くなったときに、誰も助けてくれないという不安をいつも抱えているのです。気軽でいい、という声も聞きますが、実際にそれが本心という人は少ないのではないでしょうか。

介護施設は、身体が動かなくなるぎりぎりまで家族と同居か一人暮らしを続けていた末に我慢して仕方なく入るか、子どもが介護しきれなかったり階段から落ちるといった日常生活での事故などを心配して入るケースがほとんど。望んで入りたがる人は少ないのではないでしょうか。

シルバー世代にとって必要不可欠なのは、いつでも気軽に人と交流できる住環境です。前述のように一人暮らしを続けるシルバー世代は孤立しがちです。つまり人との交流がしづらい環境といえます。だからといってまだまだ元気なシルバー世代は、老人ホームなどの施設に入ることに大きな抵抗を感じるでしょう。

このような背景から、元気なシルバー世代が快適に暮らせる住まいに対するニーズは非常に高いものがあります。65〜75歳未満の人のなかで介護を必要としない人の割合は、なんと95.7%。さらに後期高齢者となる75歳以上でも67.6%もいるのです。シルバー世代のほとんどの人は元気溌剌といえるでしょう。

実際のシルバー世代は、元気で自分のことは自分でできる(したい)。しかし、万一のときにも安心で快適に暮らせる住まいの存在を知らない。このギャップを埋めることが今、求められているのです。

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May 08, 2020 at 03:04AM
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