プロ意識 道具に愛情込め発信役に - 日本経済新聞

競技のゴルフを始めたのは10歳。中学時代はゴルフが嫌いになって、体力づくりになると理由をつけてバスケットボール部で3年間、ひたすら走った。プロゴルファーになってほしいという両親の願いにほだされるようにプロになったけれど、アマチュア時代に目立った優勝経験はない。

そんな私が2016年1月、当時はクラブ、ボールなどゴルフ事業全般を手がけていたナイキと総合契約を結んでもらった。「なんでナイキが？」というのが正直な気持ち。ナイキといえば中学時代、はき続けたバスケットシューズが思い浮かんだ。

契約シューズは女子ツアーで使用率トップ

日本女子でたった一人だけのグローバル契約ということで、米オレゴン州にあるナイキ本社を訪れる機会もあり夢心地。イベントを通じてタイガー・ウッズやロリー・マキロイと顔を合わせたことも。2年連続賞金シードを守って迎えたレギュラーツアー参戦3季目は7月の新設大会、ニッポンハム女子クラシックで初優勝。賞金ランク26位（約3942万円）は今も自身最高の成績だ。

ところが16年夏にナイキはゴルフ事業をアパレル部門に特化、クラブ、ボールの製造を中止した。以来、クラブ契約はずっとフリー。大丈夫かなと不安もあったけれど、米国まで行ってクラブ製作者の話を聞くなどしたナイキでの体験が生きた。より愛情を込めて道具を使わねばと思うきっかけとなったというか。プロとして当然のたしなみ、意識が一人前のレベルになったということかもしれない。

自分がいいと思って選んだ物を誰かに伝える発信役となるのもプロゴルファーの仕事。クラブも常により良い物を探しているけれど、「葭葉が使っているなら距離が出るんだな」と思ってもらえるような結果、成績を出していかなければ。私が履いているナイキのシューズはここ数年、女子ツアーで使用率1位だそうだ。これもひそかな自慢のひとつ。

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May 08, 2020 at 01:00AM
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