ランチ(岐阜・各務原)が運営するオンラインストア「左ききの道具店」は10月9日、ロフトにて「おでかけストア」を開催する。期間限定での開催で、10⽉9⽇から渋谷ロフトでスタートし、その後千葉ロフトでは10⽉18⽇、池袋ロフトでは10⽉26日からそれぞれスタートする。
「左ききの道具店」は、2018年8月13日の「左利きの日」に開店したオンラインストア。左利きの人向けの商品を中心に、文房具・キッチン用品といった日用品や、毎日がちょっとうれしくなるアイテムをセレクトして取り揃えている。
オンラインストアを立ち上げたのは、ランチの代表でコピーライターの加藤信吾氏。加藤氏は、コピーライターとして、さまざまなクライアントの課題に取り組む傍ら、「自分でモノを売りたい」と考えていたという。
「コピーライターは楽しく、やりがいのある仕事です。でもコピーライターのスキルは、もっとモノを売ることに直接的に活かせるはず、という根拠のない確信もありました。しかし過去の経験から、副業的にモノを売るのは難しいと感じていました。クライアントワークは、基本的にお客さんの要望があれば動かなければいけない。忙しくなれば、ほかのことは必ず後回しになります。だから当時、事務作業をサポートしてくれていた、妻が取り組める“商材”が理想的だと感じていました」(加藤氏)。
2015年に独立した加藤氏は、その間も“商材”となるものを模索していたが、2018年の春ごろ、その妻と商材について話す中で、「左利きの専門店をやりたい」という話が出たことが、“左利き”に着目したきっかけだったという。
「彼女は左利きで、道具について日ごろから不満に思っていることがあり、それを解消したいという思いがありました。実際に市場を調べてみると、左利きの方は人口の10人に1人。似たような専門店はほとんどなく、そもそも市場自体がないに等しい。この市場であれば、小さく始めるには理想的だし、何より妻自身にやりたいというモチベーションがあるのがいいと思いました。そして1カ月後にはお店をオープン。店名は、誰でもすぐにわかるように『左ききの道具店』と名付けました。おそらく、このネーミングが、左ききの道具店における僕のコピーライターとしてほぼ唯一で最大の仕事だと思います」。
立ち上げから2年、ストアの利用者から「こんなお店があったのか!」「使いたいものがたくさんあってうれしい!」という声が多いという。
「妻と同じように左利きの道具へのフラストレーションを抱えた人は多いと感じます。このような反響は、問い合わせメールや、直筆の手紙でもいただきますが、一番多いのがTwitterでのリプライです。当店のTwitterアカウントは妻が運用しているのですが、フォロワーの方とのコミュニケーションを通して、少しずつですがネット上での認知が広がっています」。
また、当初想定していなかった方からの声もあった。それは「事故や病気で右半身が不自由になった人たち」からの喜びの声だ。
「生まれつきだけなく、後天的に左手を使わざるを得ない方がいて、そういう方の役に立てるお店でもあるのだと、左ききの道具店の存在意義をより強く感じました」。
今回のポップアップイベントは、ロフトからの問い合わせがあり、実現に至ったという。
「担当者の方から『扱っている商品の大部分を扱いたい。オンラインストア限定の左ききの道具店をリアルで表現したい』というありがたい声で実現しました。ロフトさんには、特に文房具に関心のある方が多く来店されるので、その中で左利きの方に知ってもらえたら、と期待しています。今後も基本的にはオンラインをベースに活動を広げていきますが、こういった機会があればぜひリアルの場でも『左ききの道具店』に触れてもらいたいと考えています」。
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October 13, 2020 at 07:30AM
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