ステーブルコインで進む富の極端な集中、仮想通貨分析のコインメトリックスがレポート - コインテレグラフ・ジャパン（ビットコイン、仮想通貨、ブロックチェーンのニュース）

コインメトリック（CoinMetrics）が発行したレポートによると、多くのステーブルコインで富の極端な集中が進んでおり、5つの上位のステーブルコインが供給額全体の少なくとも80％が6つのアカウントで保持されている。

コインメトリックスによれば、ほとんどのステーブルコインが使われている送金の少なくとも20％が100ドル未満であり、支払い手段としてステーブルコインが一定の重要性を持っていることを示している。

またコインメトリックスのレポートによれば、パクソススタンダードトークン（PAX）のトランザクションの40％が、マルチレベルマーケティング（MLM）もしくはポンジスキームと関連しているという。

ステーブルコインでは富の偏在化

レポートでは、ジェミナイドル（GUSD）、バイナンスUSD（BUSD）、フォビドル（HUSD）、トロン（TRX）ベースのテザー（USDT）、そしてUSDKネットワークといったステーブルコインでは、供給額の80％が6つ以下のアカウントに集中していると指摘している。

イーサリアムベースのUSDTは、最も多元的なステーブルコイン市場を構成しており、時価総額の80％が約1600のアカウントが占めている。USDコイン（USDC）とトゥルーUSD（TUSD）は、それぞれ約200のアカウント、OmniベースのUSDTが150超となっている。

出典: CoinMetrics

ステーブルコインを使った送金の総数を見ると、USDCは2番目に分散化されたステーブルコインであり、ウォレットの20％以上が送金の80％を占めている。OmniベースのUSDTとGUSD、そしてTUSDが約15％以上のウォレットとなっている。

出典: CoinMetrics

パクソスとポンジスキームとの関連を指摘

パクソスのネットワークは非常に多元的なようにみえる。約50％のウォレットが送金額の80％を占めている。

ただし、コインメトリックスの調査によれば、パクソスで最もなアクティブなアカウントの2つが、ポンジスキームの「MMM BSC」と関連したものだという。このスキームでは、過去1年間でユーザーアクティビティが指数関数的に増加している。現在、パクソスのネットワークアクティビティ全体の約40％を占めているという。

出典: CoinMetrics MMM BSCと関連するPXAトランザクションの割合

100ドル以下の送金は全体の20％

コインメトリックスが調査した10個のステーブルコインのうち、8個で使われた送金の約20％は100ドル未満のものだった。

HUSDとBUSDを除くステーブルコインでは、送金の4％未満が10万ドル以上だった。逆にHUSDの35％以上、BUSDの約17％が10万ドル以上の送金だった。

翻訳・編集　コインテレグラフジャパン

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June 10, 2020 at 04:23PM
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