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大荒れの「新型コロナ相場」、乗り切るために一番必要なもの(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース

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先月、世界の株式市場は急激な値動きを見せた。米国市場では驚異的な下落率によりサーキット・ブレイカーが相次いで発動し、「恐怖指標」とも呼ばれるVIX指数も過去最高を記録した。
株式市場はなぜ、ここまで極端な値動きをしているのか。米国の投資運用会社で働いた経験があり、『マネーの代理人たち』の著書もある小出・フィッシャー・美奈氏が、「流動性」をキーワードに、その「犯人」を推理する。
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市場が変質した!

 「いったい何なんだ、これは!」

 何十年と市場を見てきたベテランでも呆れる毎日が続いている。近頃の極端な値動きは、株式市場の変質を印象づけるものだ。

 まず、調整の急激さ。

 世界の株式市場は、2月24日から3月20日までの4週間で3割以上下落した。ピークから2割下落するのに15日間しかかかっていない。これは、世界大恐慌の引き金となった1929年のウォール街の大暴落の時の30日間や1998年のロシア危機の時の31日に比べて、2倍も速い調整だ。

 しかも、驚くのは1日の取引の極端な値動きだ。

 世界の株を動かす米国市場では、3月9日にダウ平均が-7.8%、 12日に-10%、 16日に-12.9%と1日の市場の値動きとしては尋常でない下落率を記録し、その都度、取引が自動的に一時停止される「サーキットブレーカー」が発動された。特に3月16日の-12.9%は、市場最悪の1日となった「ブラックマンデー」の1987年10月19日の-22.6%に次ぐ、歴史上二番目の下落率となった。

 ところが3月24日に2兆ドル規模の緊急経済対策の議会通過が見えると、ダウは今度は11.3%跳ね上がり、こちらも1933年以来、史上第4位の上昇率となった。2112ドルという1日の上昇幅では、過去最大だ。

 市場のボラティリティー(株価が変化する激しさの度合い)を測る指標に、別名「恐怖指標」と呼ばれるVIX指数がある。これも一気に跳ね上がり、3月16日には82.69をつけて、リーマン危機を抜く過去最高を記録した。
なぜ株式市場がこうも極端になったのだろう。

 市場の大きな調整局面でいつも鍵となるのは「流動性」だ。流動性というのは平たく言うと、その資産がすぐキャッシュ=現金に換えられるか、換金しやすさ、という意味だ。

 そして、流動性の低下と株の極端な値動きの間には関連性がある。

 なぜかというと、不安な時には、株などのリスク資産を売って現金に換えておこういう心理が働くが、皆んなが換金に走ると取引に参加する人が少なくなってしまい、売り手と買い手の「ビッド(買値)・アスク(売値)・スプレッド」が拡大するからだ。

 つまり、市場には「この値段なら売ってもいいな」と最低限の売値を考えている売り手と、「この値段なら買ってもいいぞ」と最大限の買値を考えている買い手がいる。市場に沢山参加者がいれば、買い手と売り手のマッチングは容易で、すぐ換金できる(つまり流動性が高い)。しかし市場参加者が減ると需要と供給の釣合が悪くなり、買値をもっと上げないと買えず、売値をもっと下げないと売れなくなって、スプレッドが拡大する。

 こうして市場の厚み(板)が薄くなって換金性が悪くなると、株の値動きも激しくなってしまうのだ。

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April 06, 2020 at 01:01PM
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