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「マスク無意味」論からCDCの方針転換で「マスク必須」へ。マスクプロパガンダとは何だったのか? - ハーバー・ビジネス・オンライン

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leo2014 via Pixabay

新型コロナパンデミックに見る日本における謎々効果

 現在本邦は、SARS-CoV-2(新型コロナウィルス;新型コロナ)による感染症COVID-19(コヴィッド19)の大規模なパンデミックの渦中にありますが、その一方で、政府、医学界の根本的に誤った対応、「世界的に類例がないPCR検査の極端な抑制」と「社会的距離戦略の不徹底」によって、2月中頃までには感染拡大状況の把握に失敗し、制御不能の極めて危険な状態に陥っています。  過去3ヶ月間の世界の事例を見ると、このような人為的かつ恣意的な失策は、感染者の激増から医療の崩壊、死者・重症者の激増と医療関係者に大量の犠牲が生じるという最悪の代償で償うことになる事に例外はなく、筆者は世界でも最悪の失敗を重ねている本邦の行く末に日々恐怖しています。  しかし本邦における事態悪化の速度は、2月末頃から筆者の予測に比して明らかに週単位の大幅な遅滞を見せており、筆者はこれを「謎々効果」と命名して注視してきています。この「謎々効果」についてはBBCやCNNのほかにも海外メディアは気がつき注視しており、「感染症対策が丸裸に近い無謀な日本において、感染拡大が目に見えて遅いのは何故か」というミニ特集も3月中までよく組まれてきました。  日本は、新型コロナウィルス感染者の発見が比較的早く、また中国の旧正月である春節に合わせた観光需要を見込み入国制限を遅らせたために脆弱な状況にありました。事実2020/02/14に国内で講演したWHOシニアアドバイザである進藤奈邦子氏は、インタビューにおいて「日本だけ様子が異なる。日本だけ感染者や接触者が追えず、感染が広がっている」と強い憂慮の念を示していました*。 〈*“日本はすでに感染拡大”WHO専門家”2020/02/14日テレNEWS24〉  この時点でクラスター戦略という日本独自の戦略は破綻していますが、いまだに国はそれを認めません。進藤氏の発言は、既に日本では追跡不能の感染者が市中に存在し、それは無症状感染者が市中に多く存在する可能性を強く示唆しました。事実この頃からNTTデータ協力会社社員の感染・発病や、公共交通職員の感染、マスコミ取材クルーの感染など事もあろうに首都圏、都心部(霞ヶ関と永田町)で市中感染者が次々に発見される有り様でした。この状態は、エピデミックの立ち上がりを意味し、3月初め以降、日本はロックダウンへの移行を検討せねばならないだろうと筆者は分析していました。そういった中で、安倍首相の陣頭指揮によって公立学校の休校が行われたことは、決定プロセスなどの詰めが甘かったとはいえ高く評価すべき事です。  しかし、ここから「面」の感染拡大は進行する一方で、「量」については日本の統計がめちゃくちゃで評価不能(Bloombergは3月12日に検査過小で信頼できないとして日本を統計から削除した)*であるものの、重症患者、行路病死人の大量発生、医療機関の混乱などが見られず、「質」の面で日本の事態悪化が大きく遅延しているのが自明となりました。これを筆者は「謎々効果」と呼び、BBCなど海外メディアも日本の謎として報じていました。3月半ば頃になると、日本の特異的な事態進行の遅延は、欧米に比して4-6週間程度であると筆者は評価しています。 〈*”What the U.S., Europe Can Learn From Asia’s Brutal Virus Fight” 2020/03/12 Bloomberg  前々回記事に記述したように、日本におけるSARS-CoV-2(新型コロナウィルス、新型コロナ)感染者数の推移そのものは、日本政府による意図的且つ極端な検査抑制(検査をしなければ感染者は見えなくなる=居ないことになる)によるものと世界は看破していますが、一方で日本の社会が見かけ上3月中旬までは平穏であったことも事実です。

無意味な「日本独自の特異点」説と満員電車を無視する日本政府

 海外と比べて日本社会出の生活様式に特異的なことは、次の3点と思われます。 1)握手、ハグ、キスなどの肉体接触を伴う挨拶文化を持たない 2)土足禁止の生活様式である 3)日常的なマスク着用が全土、とくに都市部で一般化しているし、マスクは高性能マスクである  他に日本人は風呂好きだとか、日本人はとてもよく手を洗うなどといったポット出の主張がありますが、多くの国々でも人々はシャワーを毎日好んで浴びますし、日本人で風呂に余り入れない社会階層は明確に存在します。日本人が特異的に手を洗うという主張は取って付けた大嘘です。よくもまあ、自説の正当化のために自己申告で高学歴の面々が取って付けたような嘘を垂れ流すものだと呆れかえります。  一方で、満員電車により少なくとも一千万人はいると思われる毎日往復一時間以上の移動をするという感染症防御には最悪といってよい日本独特の生活様式*があり、巷に言われる珍奇な日本独自の優位点など妄想か、パンツのシミに過ぎません。また日本政府は、満員電車では乗客はしゃべらないから感染しないという屁理屈で、満員電車の解消には絶対に手を出そうとしませんが、合衆国では例外中の例外である電車通勤都市であるN.Y.市における満員電車の感染拡大への寄与が論文化*されており、日本政府の主張はきわめて根拠薄弱なものとなります。 〈* NY感染拡大「地下鉄の運行数減が原因」米大学教授2020/04/17 TV朝日、(原著論文)The Subways Seeded the Massive Coronavirus Epidemic in New York City, Jeffrey E. Harris, 2020/04, NATIONAL BUREAU OF ECONOMIC RESEARCH, MIT〉  いずれにせよ、日本において新型コロナウィルス禍の深刻化が欧米に比して4-6週間ほどの遅滞をしており、しかも日本政府が感染症防護に背を向け目と耳を塞ぎ続けて、公立学校休校以外の碌な対策をしない無防備国家であることは全世界から注目を集めています。日本における「謎々効果」とは何か? 興味津々です。

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April 27, 2020 at 06:33AM
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