中国のベンチャーnrealは5月31日、サングラスのような形状で、約88グラムと軽量なスマートグラス「nreal light」の販売計画と想定価格を発表した。一般モデルは2020年の早い時期に発売予定で、価格は499ドル(約5万4000円)。開発者向けモデルは19年9月に先行発売する予定で、価格は1199ドル(約13万円)になるという。
nreal lightは、AR・VRアプリケーションを利用できる小型スマートグラス。サングラスのような形状、カラフルなデザイン、軽量性、フィット感、折りたためるテンプル(つる)――などが特徴だ。今年1月の展示会「CES2019」で発表され、話題を呼んでいた。
外付けのコンピューティングと接続することで動作
本体に搭載する3基のカメラで空間認識を行う仕組みで、視野角は52度。6DoF(前後、左右、上下、ピッチ、ヨー、ロール)の認識に対応し、着用者が動き回った場合でも安定的な表示が可能だ。位置トラッキングにも対応している。
単体では使用できず、米Qualcommのプロセッサ「Snapdragon 845」を搭載した専用の外付けコンピューティング端末か、Android 8.0以上のスマートフォンとUSB-Type Cケーブルで接続することで動作する仕組み。操作には、スマホとBluetoothで接続する専用のコントローラーを使用する。
コンピューティング端末は約170グラム、コントローラーは約20グラムと軽量。ハンズフリーでの操作はできないが、本体とプロセッサなどを分割することで、本体の軽量化、安定性の確保、稼働時間の延伸などを図っている。
日本国内向けの展開も予定しており、nrealは5月31日付でKDDIと戦略的パートナーシップを締結。KDDIは6月以降、パートナー企業と組んで同デバイスを用いた実証実験を行い、国内市場での適合性などを検証する他、日本人向けのカスタマイズも進めるとしている。
NTTドコモはMagic Leapと提携
KDDIの競合に当たるNTTドコモは4月、MR(複合現実)プラットフォームを手掛ける米Magic Leapと資本業務提携を締結。2.8億ドル(約310億円)を出資し、Magic LeapのMRデバイス販売権を取得した。日本向けMRコンテンツの開発なども計画している。
Magic LeapのMRヘッドセット「Magic Leap One」も、nreal lightと同様、専用のコンピューティング端末やコントローラーと組み合わせて使う仕組み。5G時代のXR(MR・VR・AR)活用に向け、海外メーカーの開発競争と、国内携帯キャリアの“囲い込み”が加速しているようだ。
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https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1905/31/news093.html
2019-05-31 06:30:00Z
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