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高い静粛性が魅力の「Palit GeForce RTX 3070 JetStream OC」 - PC Watch

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GeForce RTX 3070 JetStream OC

 Palit Microsystemsの「GeForce RTX 3070 JetStream OC」は、GPUにGeForce RTX 3070を搭載したオーバークロッカー向けのビデオカードだ。国内ではドスパラが販売をしており、実売価格は69,800円となっている。今回Palitの協力により1台サンプルを入手できたので、レビューをお届けしたい。

 Palitは現在、GeForce RTX 30シリーズのラインナップとして、ゲーミング向けの「GamingPro」、ゲーミング向けプレミアムの「GameRock」を展開しているが、JetStreamシリーズはこれらとは少し趣旨が異なり、オーバークロッカー向けという位置づけ。工場出荷時の動作クロックはGameRockがもっとも高く、続いてJetStream、GamingProという順番だ。

 ゲーミング向けが派手な外観とイルミネーションを採用しているのとは対象的に、JetStreamの見た目はおとなしい。一応、側面の「GeForce RTX JetStream」という文字列はアドレサブルRGB LEDによって派手に光るものの、ファン側には光る要素がない。

 JetStreamは3つのシリーズのなかでもっとも古く(Kepler世代)から登場しているものであり、ヒートシンクの冷却性と静音性ではかなり定評がある。ただ、今回のGeForce RTX 30シリーズに関して言えば、意外にも3080以上ではJetStreamブランドで登場しておらず、3070が初となる。

製品パッケージ
ビデオカード本体

オーソドックスな作りだが短基板がユニーク

 先述のとおり、JetStreamはゲーミング向けではないため、パッケージも内容物も至ってシンプル。付属品はPCI Express 6ピン×2を8ピンに変換するケーブルが1本、マザーボードのARGB制御と同期するためのケーブル1本、そしてマニュアルのみとあっさりしている。

 ビデオカード本体は、ヒートパイプ4本を使った大掛かりなヒートシンク、ビデオメモリや電源回路の放熱、そして基板の剛性強化に役立つ金属製のフレーム、さらに金属の強化バックプレートを採用している。スペック上2.7スロット占有するとされているが、事実上3スロットは使えないと思っていいだろう。

 GeForce RTX 3070は、3080や3090のような300W超のTDPではなく、本来220Wとされているのだが、本機はファクトリーオーバークロック済み、なおかつオーバークロッカー向けということもあり、公称最大270Wとされている。これは従来のハイエンドの2080の215Wをも大きく上回る。そのため、このような大掛かりなヒートシンクとなっているわけだ。

直径90mmのファンを2基搭載。3基ファンモデルが多いなか貴重だ

 本機では2つあるファンのうち1基は、ファンからの風をそのまま背面に通すデザインとなっている。これによりケース下部に熱溜まりが生じることを防いでいる。そのため基板は本体の実際の長さ(304mm)に反して短く、その分幅(136mm)があるデザインとなっている。現代的なコンポーネントの格納を考慮したケースであれば、サイドパネルとの干渉はあまり考えられないが、比較的スリムなケースを使う場合などは十分に注意したい。

 ファンは直径90mmの大型のものが2つ採用されている。デュアルボールベアリングとIP5X防塵を謳う「TurboFan 3.0」となっており、振動は少ない。ブレードの形状も波打っている感じでかなりユニークだ。実際、負荷時の騒音のほとんどは風切り音であった。なお、負荷が低いときにファンの回転を止める「0-dBテクニック」も採用されていて、アイドル時回転することはなかった。

 ヒートシンクカバーはプラスチック製でややチープな印象だが、先述のとおり本機は派手さを求めたものではないので、これはこれでありだ。2つのファンのあいだの「風」の漢字が、わざわざ別のクリアパーツを用いて実現されているのはチャームポイント。アメリカンなデザインのパーツが多いなか、アジアンな感じはなかなかイカすとは思う。

 基板が気になったので分解してみた。先述のとおり本機の基板は短いため、パーツはびっしり積まれている。この小さいスペースのなかに合計13フェーズもの電源回路や、RGB LED制御をよく積んだなぁとは感心する作りであった。

 ただその“弊害”として、PCI Express 8ピン×2のコネクタが本体中央に来ているのが気になった。この位置だと、ケーブルを下に這わせるとイルミネーションの邪魔に、横に這わせるとエアフローの阻害に、上に這わせるとマザーボードの上空を邪魔して、CPUクーラーと干渉しそうだ。電力ロスが生じるが、できればケーブルなどで隅にコネクタを配置してほしかったところではある。

GeForce RTX 20世代をスキップしたユーザーに

 今回のGeForce RTX 30シリーズは、プロセスの進化もあって、ラインナップ全体を通して性能が前世代より大幅に引き上げられている。NVIDIAの“数字的な世代交代”は、x80が次世代のx70、次次世代のx60の性能相当するのが恒例であったのだが、30シリーズに関しては2ランクほどのジャンプアップがあると言ってもいい。これは、かつてGeForce 7000が8000シリーズ、GeForce GTX 500が600シリーズに変わったときぐらいのインパクトだ。

 GeForce RTX 3070に関して言えば、従来の2ランク上に相当するGeForce RTX 2080 Ti並みの性能を実現している。そのRTX 2080 Tiは2年前の発売時18万円前後だったことを考えると、7万円を切る3070 JetStream OCはかなりお買い得だと言ってもいい。ダルビッシュ有氏PerfumeののっちさんHenry Cavill氏といった著名人が軒並み2080 Tiを選択したことを考えれば、なおさらだ。

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