FRBは早ければ9月に物価目標政策の新たな方針を発表
米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年から、金融政策の枠組みの見直しに関する議論を進めてきた。物価目標政策の新たな方針を示す方向で、既に意見の集約が概ねなされている。コロナショックを受けて、枠組みの見直しの議論は一時的に停止された感があるが、事態が落ち着いてきたことを受けて、早ければ9月15日と16日に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)で新しい方針を打ち出す可能性が高まっている。 パウエル議長は、新しい方針は、「私たちが既に政策で行っている方法を、実際に明文化することだ」と述べている。つまり、全く新しい方針を打ち出すのではなく、FRBが意図していることが金融市場などに正確に理解されていないことを踏まえ、それを正確に市場に伝える、いわば市場とのコミュニケーション改善を目指すものだ。 FRBは2012年に、2%の物価目標を正式に採用した。この目標は、「2%を中心に上下に対称的なもの」とFRBは説明している。しかし、「実際には市場はそれが上下に対称的なものとは理解していない」とFRBは考えているのである。 景気情勢が改善して物価上昇率が目標の2%に近付いてくると、FRBは政策金利の引き上げを始める。他方で、景気情勢が悪化して物価上昇率が2%を大きく下回っても、FRBが物価上昇率押し上げのために極端な金融緩和政策を実施するとは限らない。あるいは、物価上昇率を強く押し上げる有効な手段をFRBは持っていないのである。
物価目標政策は柔軟な運営を
その結果、FRBは2%の物価上昇率の達成を目指しているのではなく、2%の物価上昇率を上限(キャップ)とする政策運営を実施しているように金融市場には見える。そのもとでは、金融市場の予想物価上昇率(インフレ期待)は2%を下回る。実際の物価上昇率は、金融市場あるいは企業・家計の予想物価上昇率で決まる部分があることから、2%の物価目標は容易には達成できない。これがFRBの理解するところである。 筆者は、物価上昇率のトレンドは経済の潜在力等によって影響を受けることから、物価上昇率がFRBが目標とする2%を下回り続けているのは、米国経済の潜在成長率が低下するなど経済構造の変化を背景にしたものであり、中央銀行は、特定の水準の物価目標の達成を金科玉条のごとく目指すことは正しくないと考える。もっと柔軟な政策運営を行うべきだ。
"極端な" - Google ニュース
August 11, 2020 at 06:23AM
https://ift.tt/3kHDpqG
FRBの政策枠組み修正は物価目標の達成を本当に助けるのか(NRI研究員の時事解説) - Yahoo!ニュース
"極端な" - Google ニュース
https://ift.tt/3a3L4tM
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "FRBの政策枠組み修正は物価目標の達成を本当に助けるのか(NRI研究員の時事解説) - Yahoo!ニュース"
Post a Comment