この発表に先がけて,「Dead by Daylight」のゲームディレクターを務めるMathieu Cote(マシュー・コート)氏と,シニアプロダクトマネージャーのAlexandre Rogaum(アレクサンダー・ロゴム)氏にインタビューを行った。その内容を本稿でお届けしよう。
4Gamer:
本日はよろしくお願いいたします。実際にプレイをしてみて,現時点で完成度が非常に高いという印象を受けました。スマホ版の開発がスタートしてから,どのくらいの期間が経過しているのでしょうか。
マシュー・コート氏(以下,コート氏):
まだ完成しているわけではありませんが,1年ほど経過しています。
4Gamer:
スマホ版の開発は,PC版と同じチームが担当しているのでしょうか。
コート氏:
スマホ版には独自の知識を持った開発者も必要になるため,モバイルチームと呼ばれる人たちもいますが,基本的には1つのチームとして動いています。
4Gamer:
スマホ版とPC版に大きな違いはありますか。
コート氏:
「PC版とまったく同じ体験」がコンセプトなので,ゲーム体験に違いを感じないのであれば,それがベストです。大きく異なるのは,コントロールの部分ですね。指定した方向に走り続けるオートランや,発電機の位置がアイコンで表示されるイヤービューなどの機能を用意しています。また,スマホ版ではプレイ時間が短くなることも加味した変更を加えました。
4Gamer:
サウンドオフでもプレイできるのは嬉しい機能ですね,出先で気軽に遊べそうです。そのほかスマホ版だけに搭載される機能はありますか。
コート氏:
スマホ版独自の機能を搭載したいというわけではないので,特別な機能を追加することはありません。ただし,より良いプレイ環境にするための小さな改修は加えていきます。
アレクサンダー・ロゴム氏(以下,ロゴム氏):
基本的な考え方としては,PC版をそのままアプリとして移植することなので,まったく新しい機能を追加するということはありません。
4Gamer:
PC版をほぼ再現するような形になっていますが,開発でとくに苦労したポイントはどういったところでしょうか。
コート氏:
同じクオリティにするために試行錯誤を繰り返して,さまざまなハプニングも起きました。そもそもスマホ版を前提として開発したタイトルではなかったため,操作感やUIの調整,バグの発生など,いくつかの問題を乗り越えています。
Nintendo Switch版やスマホ版を提供するというのは,我々にとっても大きなチャンスでした。新たなプラットフォームにうまく作用したシステムはPC版でも活用できるので,相互作用を起こして,より良いゲーム体験を提供するいい機会になると考えています。
4Gamer:
スマホ版の内容についてもお聞かせください。現在PC版で実装されているキラーとサバイバーは,スマホ版ですべて使用可能でしょうか。
コート氏:
一部ライセンス交渉中のものもありますが,いずれすべてのコンテンツが使用可能になる予定です。ただし,スマホ版は基本プレイ無料になるため,一部キラーやサバイバーは購入していただく形になります。
パッケージ版と同じコンテンツを購入していただくと,おおよそPC版と同じような金額感なります。
ロゴム氏:
もちろん無料で遊び続けられますし,使いたいキャラクターだけを購入することも可能ですよ。現金だけでなく,ゲーム内通貨での購入なども検討しています。
4Gamer:
スマホ版がリリースされ,はじめて本作をプレイすることになる人も多いと考えられます。すでに遊び慣れているPC版ユーザーとの実力差が開きそうですが,何か対策は考えていますか。
コート氏:
PC版をプレイしている人も,アプリならではの操作感には慣れる必要があります。一方でアプリゲーム自体は遊び慣れているという人は,DbDのシステムを理解してもらう必要がありますから,それぞれ学ぶことがあり,自然と同じようなプレイングが可能になるのではないかと考えています。
ロゴム氏:
基本プレイ無料ですので,多くの人がプレイしてくれると思います。そうなると,同レベル帯の人とマッチングしやすい環境になり,実力差はそこまで大きな問題にはならないはずです。
4Gamer:
マッチングについてですが,日本版であれば日本のプレイヤー同士でマッチングする仕様になるのでしょうか。
コート氏:
おそらくそうなりますが,アジア圏でマッチングする可能性もあります。海外とマッチングする仕様であれば,どの時間帯にプレイしてもマッチングしやすくなるメリットもありますので,そのあたりは慎重に計画を進めている段階ですね。
4Gamer:
初心者用のチュートリアルは用意されていますか。
コート氏:
用意しています。DbDを初めてプレイする人でも,分かりやすい内容になっています。
4Gamer:
スマホゲーム定番のシステムとなっているデイリーミッションや,ログインボーナスといった機能はありますか。
コート氏:
デイリー&ウィークリーミッション,ログインボーナスはバラエティに富んだ内容を用意していますよ。Pay to Winにならない要素で,さまざまな報酬を用意する予定です。
4Gamer:
スマホゲームは,特定のIPとコラボレーションを行うことも多いですが,本作でも何か予定はありますか。
コート氏:
スマホ版限定のコラボという予定はなく,新たなコンテンツが追加される際は,ほかのプラットフォームも合わせて実施していきます。コラボを含めて,今後提供していくコンテンツには,さまざまなチャンスがあるのではないかと。
4Gamer:
コラボの可能性として,ジャパニーズホラーはありますか?
コート氏:
「Yes」とだけ言っておきます。
4Gamer:
本作は動画投稿サイトでの実況プレイも盛んに行われていますが,アプリ内から直接配信をする機能などは搭載されていますか。
ロゴム氏:
リリース時のタイミングで配信オプションを搭載する予定はありませんが,今後追加が検討されている要素です。
4Gamer:
コスプレなどオフラインで活動をされている人も多いです。リアルイベントへの期待も大きいと思いますが,日本で開催の予定はありますか。
コート氏:
まずはスマホ版のリリースを最優先に考えています。配信後にリアルイベントの開催を期待する声が大きければ,お応えしていきたいです。
4Gamer:
気になるのはスマホ版の配信日ですが,現時点でお話しできる範囲で教えてください。
コート氏:
現時点では,2019年内とだけお伝えしておきます。
4Gamer:
ちなみに,βテストなどの実施予定は……?
コート氏:
ゲームの安定性が重要だと考えているので,2回ほどテストすることを計画しています。開催時期については,今後の発表をお待ちください。
4Gamer:
スマホ版で初めて本作をプレイする人に向けて,なにかアドバイスはありますか?
コート氏:
まずは楽しんでください。サバイバーであれば「走れ,逃げろ」。キラーであれば「殺せ」とやることは単純明快です!
ロゴム氏:
ほかのゲームと違って,本作は勝利の法則が特殊です。さまざまな勝ち方があるカオスを楽しんでいただければと。
4Gamer:
従来の遊び方とは異なる,新モードや新コンテンツの実装予定があれば教えてください。
コート氏:
ノーコメントでお願いします。
4Gamer:
なるほど。では,発表を期待するのはアリですか?
コート氏:
「Yes」です。
ロゴム氏:
より良いゲーム体験,たくさんのコンテンツを提供したいとは今後も考えています。
4Gamer:
ありがとうございました。最後に,インタビューを読んでいる人にメッセージをお願いします。
コート氏:
日本のファンの方々には大変感謝をしています。ここまで注目していただけるコンテンツとなったことには,自分たちも驚きました。
これからも最善を尽くし,新しいコンテンツやゲーム体験を提供していきたいと思いますので,PC版と合わせてスマホ版も楽しんでいただければと思っています。
ロゴム氏:
DbDをここまで歓迎し,評価してもらえたことがとても嬉しいです。今後も,期待を裏切らないようにコンテンツを作っていきます。
―――2019年6月18日収録。
https://www.4gamer.net/games/465/G046548/20190621173/
2019-06-21 15:00:00Z
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