どこから紹介していいかもわからないくらい、『スーパーマリオメーカー 2』は気に入った部分がたくさんある。本作はすでに傑作だった前作より、ほとんどすべてにおいて優れている。素晴らしいアイディア、スキン、アイテムをこれでもかというくらい盛り込み、それでいてみんなのよく知っているマリオらしさに溢れている。
プレイヤーは従来のマリオからかなりかけ離れたステージを自由に作れるようになっているが、どんなステージを作ってもなぜかマリオの過去作にあってもおかしくないようなものに感じる。『スーパーマリオメーカー 2』は単に、「俺が宮本茂だったら何を作るか」という夢を実現するゲームには留まらない! オンラインモードで他のプレイヤーと一緒に遊べるし、単独のゲームとして出してもいいくらいに充実したストーリーモードがあるし、ステージを作るにしても想像を超えるほどたくさんの可能性がある。本当にどこから紹介したいいかわからないよ!
単独したゲーム並の価値があるストーリーモード
最も驚くべき新要素の1つはやはりストーリーモードだろう。ストーリーは他のマリオゲームと似て、至ってシンプル! アンドゥ犬はしくじってしまい、ピーチ姫のお城を「アンドゥ」してしまったのだ。そして、もちろん作り直す羽目になるのは他でもないマリオ。お城を建て直す過程で、我らが和製イタリア人は徐々に難しくなるステージに挑み、習得したコインをお城の復興に使っていく。それが物語のすべてだし、そしてそれで十分だ。
ストーリーモードの存在意義は、あなたに任天堂が用意した100以上のステージをプレイさせるところにある。これらステージは『スーパーマリオメーカー 2』の中で作成されており、そのデザインツールを最大限に活かしたものばかりだ。従来のマリオのゲームプレイを基本としながらも、新しいアイディアやアイテムがクレバーに使われ、私を何度も驚かせた。
ストーリーモードの存在意義は、あなたに任天堂が用意した100以上のステージをプレイさせるところにある。
ストーリーモードのステージには共通したテーマや構造はない。従来のマリオのようにワールド1-2から始まるわけでもなければ、いきなり4-1へワープできる土管があるわけでもない。それぞれのステージは独立したものであるが、共通の世界観などなくても私はそのクリエイティブなデザインに何度も感心しなければならなかった。本当に、どのステージも『スーパーマリオメーカー 2』のツールでユニークなものを実現しているのだ。私はまるで有名なシェフが集うTV番組の審査員になったような気分だった。ひとつのレストランのフルコースでお腹いっぱいにならずに、至高のご馳走の数々をつまみ食いするという、実に贅沢なことを許されたのだ。
ステージは典型的なプラットフォームアクションや高度なジャンプやタイミングのスキルを求められるものから、『スーパーマリオ 3Dワールド』のスキンでノコノコのカートに乗って跳ね返るプラットフォームの上を進むステージもある。それこそ、ステージ全体がカートレースとして進行するものすらあり、ストーリーモードの最もよくできたステージの1つだ。
ストーリーモードについて「単独のゲームとして出してもいいくらい」と言ったけれど、本当に1本のゲームとして発売していてもおかしくない。お城の復興が終わった頃、私は100以上のステージをクリアしたが、まだクリアしていないステージのリストが5ページも残っていた。ストーリーモードをクリアすると「つくる」モードで使える新しい機能も追加されるので、ストーリーモードは単に「めちゃくちゃ面白いから」プレイするだけではなく、ちゃんとインセンティブもある。
つくる哲学
ちょっと忘れそうになるが、本作は『スーパーマリオ お城復興シミュレーター』ではなく、あくまで『スーパーマリオメーカー 2』である。なので、もちろんステージを「つくる」モードも実に素晴らしい出来だ。
Nintendo Switchは、Wii Uや3DSのタッチスクリーンのように遊びやすくできるのかという心配はあったが、慣れればどうということはない。私はむしろ、徐々に携帯モードのタッチスクリーンよりもコントローラーで作る方がやりやすいとすら感じるようになった。コントローラーでの操作は確かに慣れるまで少し時間がかかるが、慣れてしまえばもうタッチスクリーンに戻りたくなくなるほどの使い心地だ。なので、携帯モードでJoy-Conでできることが限られていることを残念に思った。タッチスクリーンの操作が悪いわけではないが、本当にそれだけコントローラーによる操作がよくできている。
「つくる」モードの選択肢は驚くほど豊富だ。スクリーンのトップには12の項目が並んでおり、どれも特定の種類――例えばブロックやパワーアップに敵など――のものを選ぶことができる。さらにYボタンを押し込む(タッチスクリーンの場合は虫眼鏡を押す)と、もっと多くの選択肢が表示される。作れるものはスキンによっても異なり、例えば「3Dワールド」で作るとネコマリオに変身するパワーアップを選べるようになる。さらに、アイテムや敵の上にYボタンを押し込むと多くの選択肢が表示される。ノコノコの場合は色を赤に変えたり、羽をつけてパタパタに変身させたりできる。巨大化もできれば、パラシュートをつけることもできる。これはノコノコを例にした場合に過ぎず、ベルトコンベアであれば速度を変えられるし、空に浮いているプラットフォームはプレイヤーがその上に立つと落下するかしないかも選べる。
何よりも大きいと言えるのは、ステージの「ゴール条件」をつけられるようになったことだろう。
坂道を自由に作れるようになったといった新要素はさらに豊富なステージ作りを可能にしている。しかし、何よりも大きいと言えるのは、ステージの「ゴール条件」をつけられるようになったことだろう。ハンマーブロスを倒してからとか、1度もミスしないとか、「アクション」、「パーツ」、「状態」に分類されるさまざまな条件をつけることができる。
私はまだすべての「ゴール条件」を試せていないが、マリオがジャンプをしてはいけないステージなどはシーソーやベルトコンベアを使って、ジャンプしなくてもクリアできる構造になっていた。ジャンプのボタンを直接入力していなくても、マリオがシーソーから落ちて足が浮いた時点で失敗となり、私は今までと違うプレイスタイルを強いられた。こうしたクリエイティブなステージが私を刺激し、そのアイディアを自分のステージに活かしたくなった。
新しく追加されたON/OFFスイッチというブロックのおかげで、パズルのようなステージも作りやすくなったし、自動で動くスネークブロックのおかげで見るだけのステージもさらに面白く作れるようになった。自動スクロールも選択肢が増え、『スーパーマリオブラザーズ3』のような飛行船ステージを作ることもできる。
ゲームデザインを本格的に修行させてくれる道場。
ときどき圧倒されてしまうほどできることが多いが、そこで私の『スーパーマリオメーカー 2』における最も気に入っている新要素「ヤマムラ道場」が役に立ってくる。ヤマムラという賢いハトは、ニナ(人間)と共に本作のチュートリアルモードのガイドとなる。だが、実のところ、ヤマムラ道場は単なる「チュートリアルモード」ではない。モード名の通り、ゲームデザインを本格的に修行させてくれる道場なのだ!
基本操作、作ったステージを試す方法、失敗したときにどうすればいいのか、といった初歩的なところを教えてくれるレッスンももちろんある。だが、もっと深いレッスンもたくさん用意されている。あなたの想像力を刺激し、いかにプレイヤーを誘導するのかといったゲームデザイン哲学を学ばせてくれるのだ。例えば「プレイヤーにフェアに作ろう(英語版の和訳)」というレッスンがあり、ヤマムラはフェアなチャレンジの作り方を説明し、ニナは最後に「トロル(荒らし)は嫌われるからね!」という結論に至る。ニナちゃん、名言ありがとう!
上の例はまだ初心者向けのレッスンにすぎない。さらに進めるとペース配分やゴール条件の使い方について学び、「攻略ルートはわかりやすい方がいいのか?」といったレッスンもある。
ヤマムラ道場は任意だし、世界で最も優れたゲームデザイナーたちからのアドバイスであっても鵜呑みにする必要はない。だが、私は貴重なレッスンの数々を教えてくれるヤマムラが、10年後に新進気鋭のクリエイターたちに引用される時代が来るのではないかと踏んでいる。
一緒に遊ぶ・作る
『スーパーマリオメーカー 2』のステージは「Newスーパーマリオブラザーズ」シリーズのように、他のプレイヤーと一緒に攻略することもできる。
これだけの年月が経っても、任天堂は未だにスムーズなオンライン体験を届けることができずにいる。
ステージを「つくる」ことも一緒にできるようになったが、これはあまりおすすめはしない。私は息子と一緒に作ってみたが、あまり楽しい時間ではなかった。画面は2人で同時に作業するだけのスペースがないし、事前にプランニングしないとお互いの邪魔になるだけだ。幸い、一緒に作るのも任意のオプションだし、ここでしか楽しめないアイテムやモードがあるわけでもない。
「遊ぶ」方の協力プレイはオンラインでフレンドと楽しめないが、Switch本体を持ち寄って一緒に遊ぶことはできる。1台のSwitchでローカルマルチプレイを楽しむことも可能ではあるが、ステージをダウンロードしてから特定のメニューを開く必要があり、少し複雑だ。
友達のステージを遊びたければ、9桁からなる職人IDを入力しなければならない。そう、これだけの年月が経っても、任天堂は未だにスムーズなオンライン体験を届けることができずにいる。『スーパーマリオメーカー 2』は実に奥深いゲームデザインを誰でも作れる楽しいものにするという無理難題なタスクに成功しているのに、なぜ友達と一緒に気軽にゲームを楽しむ環境を整えないのだろう?
世界の人のコースを遊ぶ
マリオメーカーは基本的にステージを作って、シェアして、他のプレイヤーの作ったステージを遊ぶゲームである。ネット上に共有されたステージは検索しやすくなっており、様々な「タグ」に絞ることで今の気分にぴったりのステージが簡単に見つかる。例えば、私は全自動のステージが遊びたかったので、そのタグだけにマークをつけるとステージがたくさん表示された。もっと詳しい検索をしようと思えばそれもできる。『スーパーマリオブラザーズ3』のスキンを使ったお化け屋敷ステージで、難易度が高く、ヨーロッパで制作された、スピードランを意識したステージも、検索しようと思えばできる。
絞った条件からさらに、人気の高い順に並べることもできる。人気の高いステージを遊ぶと高確率で良くできた新鮮味のあるものが遊べるし、それがまた私のクリエイティビティを刺激することとなった。最も人気の高いステージのひとつは空にお城が浮かぶ設定で、コインを集めるゴール条件がついている。あまりにも良くできているので、似たようなステージを作りたくなった。でもとにかく世界のプレイヤーのステージを遊ぶことが楽しく、自分でまったくステージを作りたくないプレイヤーでも、半永久的に楽しめるゲームになっている。
https://jp.ign.com/super-mario-maker-2/36663/review/2
2019-06-27 06:14:02Z
52781788034549
Bagikan Berita Ini
0 Response to "スーパーマリオメーカー 2 - レビュー - Super Mario Maker 2 Review - IGN JAPAN"
Post a Comment