この舞台の原作「魍魎の匣」は、小説家・
会見には橘をはじめとする出演者7名と演出の松崎が登壇。舞台の初日を迎えるにあたり、主演の橘は「この座組で稽古を通して培ってきたものと、積み上げてきた作品に関わる皆さんの思いをお客様に届けられることをうれしく思っています。舞台で『魍魎の匣』という作品の “匣”がどのように開くのか、ぜひ楽しんでいただきたいと思っています」と意気込みを語った。松崎は「フィクションやエンタテインメントが担う役割の1つに、現実世界を生きる支えや備えになる、ということがあると思うんですけど、この作品を観ることで、お客様の中に備えや支えが1つ加わればいいなと思っています。俳優・橘ケンチの代表作になる、役者たちも素晴らしい舞台。僕が勝手に、このメンバーでシリーズを続けたいなと思っているくらいです」と笑顔を見せた。
顔合わせの際に原作者の京極から「皆さんの思う『魍魎の匣』をやってください。それが面白ければ、僕は何も言うことはありません」という言葉を受け取った橘。責任とプレッシャーを感じながらも、作品を託されたことで改めて気合いが入ったと京極への思いを口にした。また京極の自宅に招かれた際に、京極が人生で出会ったすべての書籍を所蔵する書斎を目にしたという橘は、「『魍魎の匣』の役柄にも、京極先生自身のスタンスが生きていると思っています。僕が演じる京極堂こと中禅寺秋彦という役にも先生の立ち振る舞いや考え方が生きていると思いますし、ほかのキャラクターにも随所随所で、先生のエッセンスが息付いていている」と力強く語った。
記者が橘の印象について質問を投げかけると、紫吹は「主役なのに腰が軽い。遅れて稽古に入った私にいの一番に挨拶をしてくれた。それに、みんなに『稽古場のトイレ掃除をしましょう』と声をかけていて、その日に彼が率先してトイレ掃除をしている姿を見て、驚きました!」と発言。西岡も「俺もびっくりした。みんなで掃除してるから」と声をそろえると、橘は「稽古場のトイレにあまり清掃が入らなくて、みんなに呼びかけたら『やりましょう、やりましょう』って協力してくれたので……あと舞台なので、験を担ぎたくなるというか、こういうことは大切にしないといけないかなと思って」と恥ずかしそうに答えた。
最後に、初回の公演に向けて橘は「今回は『魍魎の匣』という京極夏彦先生の大作をやらせていただくことになり、キャスト、スタッフ一同、本当にありがたく思っております。決してハッピーエンドの作品ではないのですが、皆様の記憶と心の奥底にズシリと刺さるような、インパクトを届けられる作品だと思っています。キャスト全員で一丸となって千秋楽までがんばりますので、新しい『魍魎の匣』をお楽しみに、ぜひ劇場で体感していただければと思います」と意気込みを語り、会見を締めくくった。
舞台「魍魎の匣」
2019年6月21日(金)~30日(日)東京都 天王洲 銀河劇場
2019年7月4日(木)~7日(日)兵庫県 AiiA 2.5 Theater Kobe
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https://natalie.mu/music/news/336649
2019-06-21 10:00:00Z
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